LO-D HA-M1
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■調査
とりあえず分解しました。
サイズがサイズだけに、お手軽にICを使っています。
しかし、このクラスでトロイダルコアトランスとは驚き。
でも、この構成ってカーステレオに毛が生えたようなものとしか…
噂のトロイダルコアトランス。
こうやって見ると、ずっしりとしていて頼もしいです。
基板。
コンデンサ類は寿命を迎えているはず。
コンデンサのメーカーや配線の太さが左右チャンネルで違うという点は、なんともいえない所でもあります。
それでもLo-Dブランドを付けた日立も凄いと思います。
アンプIC。
このIC、70年後半のソニーのアクティブスピーカーや
三菱のカーステレオに使われていたものと似ていますね。もしかしたら同一かもしれません。
三菱のカーステレオは好みの音だったので、これの音にも期待してしまいます。
(追記)
アンプICは日立のHA1388です。
主にカーオーディオ用で、仕様としては1パッケージ1CH、BTL、18W、温度保護内蔵といった感じです。
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■動作チェック
実はこのコンポ、チューナとの接続は専用ケーブルで繋がるという変態コンポでもあります。
これのカセットデッキが79年発売ですから、
その時代から専用ケーブルでも接続という考えはあったんですね…
とはいっても、汎用のDIN6コネクタなので、探せば見つかるかもしれません。
しかし、これを買った時にケーブルが付属していなく、自分も持っていないので、無理矢理接続してみました。
ピンアサインは基板に書いてありましたので、その通りに接続しました。
ZENを接続し、無事音楽が聞こえてきました。
音は…無難な音。
低音も中音も高音も出ますが、低~中音に全然迫力が無く、聞いていて眠れそうな音でした。
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■整備
整備といってもコンデンサの交換・各部清掃くらいです。
まずはコンデンサを地味に1個1個交換しました。
コンデンサ交換後の基板。
交換用のコンデンサはジャンク基板から頂戴しました。大容量の物は在庫が無かったので交換できず…
取り外されたコンデンサ。
こうやって見ると「古臭い」だけですが…
視点を変えるとこの通り。
松下は…基板も道連れでサビサビで、ニチコンは陰極から液漏れ+足サビサビといった感じでした。
日ケミは液漏れなしでしたが、古い物なので信頼はできないでしょう。
コンデンサがこのような状態にも関わらず音が出るなんて、
どれだけ耐久性が高いのか・・・と関心させられます。
あと、各ボリュームの接点・軸の洗浄とハンダの盛り直しを行いました。
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■改造
非連動コンセントの配線を変えてリレーを追加して、連動コンセントに改造しました。
また、背面パネルに穴を開け、RCAジャックを取り付けました。
この改造によって、音を出すために専用チューナを繋ぐ事は不要になり、単体で使用できるようになりました。
しかし、チューナがセレクター・ライン出力を兼ねていたので、
ライン出力は無くなり、入力は1系統だけになりました。
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■その後
整備後、もう一度音を聴いてみたら…低~中音に迫力が出るようになりました!
やはり、あのコンデンサ交換が効いたかもしれません。
この音ならば、パソコン用のアンプとして使うのもいいかな、と思いました。
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■おまけ
スピーカーです。
2ウェイで密閉型。ちゃんとLo-Dブランドです。
このスピーカー、筐体はプラスチック製でラジカセ臭しまくりです。
音は低音スカスカで微妙。
思わずラウドネスのスイッチをオンにしてしまう、そんな音です。
しかし、何故かサラウンドアダプター(ドルビーヘッドホン)との相性が抜群という、不思議なスピーカーです。
中が気になるので、分解してみました。
中もラジカセ。
スピーカーもラジカセっぽいかなあ…
ウーファー。
エッジがウレタンで無い点はプラスポイントです。
しかし、どうもコーンの動きが渋い・・・
そのせいで低音が弱いのかもしれません。
ツィーター。
すごく普通です。
スピーカーネットを外し、色あせたコーン紙を再塗装したら見栄えが良くなるかなあと考えています。
しかし、音が微妙なのでメインで使う気にはなれないですね…
昔の音を愉しむ、という使い方ならばいいかもしれません。
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